エジプト旅行記−5

12月18日(土)

 布団にもぐり込んだまではよかったが、やたらと蚊が飛んでいて眠ることができない。1匹、2匹ではなくかなりたくさんいるのだ。疲れているのに眠れないのは辛い。
 夜が明けるのを待って、マホメットさんが昨日紹介してくれた雑貨屋に行った。雑貨屋の主人も僕の顔を覚えてくれていて、笑顔を見せてくれる。ほっとしたが、どうやって殺虫剤を買うか。蚊は英語で「モスキート」と言ったはずだけどなぁと思いながら、蚊が飛んでいる様子を身振り(「プーーン。パチッ(顔をたたく音)」)で示したが通じない。ついで、「シューー(スプレーをまく格好)」とすると、笑って、殺虫剤を手渡してくれた。

左側にあるのが、この時買ったスプレー。

 おなかも減っていた(何しろまともに食べたのは、ついた日の夜にマホメットさんの家から持ち帰った食事だけ。後はジュースと水のみ)ので、何か食べるものはないかなぁと店の中を見た。パンと野菜(トルシー:ニンジン、カブ、キュウリなどにピクルスの味付けをしたもの)がいくつかおいてあった。残念ながら、タンパク質をとれるようなものは何もない。仕方がないので、パン(両手くらいの大きさのナンが4つ)と野菜をいくつかビニール袋に入れてもらった。あと、チーズ(日本でもよく見る扇形をしたチーズが6つくらいはいっているもの)を購入した。
全部で12ポンド(360円)。

 チーズ、パンはまずまずだが、トルシーはとても食べれない。(もともと私は、ピクルスがあまり好きではない)食べるものがなくても食べれないのだから、これは私の口には合わないようだ。食事をした気はあまりしなかったが、蚊の退治はできたので昼過ぎまで眠っていた。

 昨日ヘリオポリスで買った地図を見ながら、カイロの中心の方に向かって歩いてみた。30分くらい歩いたところでアッバセイヤの市場(ここにも旅行者は一人もいなかった)があった。食堂(といっても屋台に毛が生えたみたい)がたくさんあり、活気がある。お腹はすいているのだが、どうやってたのめばよいのかわからず、食べたそうに見ていた。と、鶏のレバーを焼いている店の人が英語で話しかけてくれた。ホッとして、それをくれと指で示すと、パン(エジプトのパンは、殆どナン)に挟んで手渡してくれた。(1ポンド:30円)甘いカルカデ(ハイビスカスのジュース:1ポンドで2杯分)も買って、道端に座って食べた。久しぶりに食べる食事は美味しい。でも、きちんとした肉を食べられるのは一体いつになるのだろう。
 そろそろマホメットさんの家に行く時間が近づいてきた。(18時から18時30分くらいまで、だいたい毎日インターネットを使わせてもらっていた)歩いて家に向かっている途中に、一人のアラビア人がナツメヤシの実を手渡そうとする。お金を取られそうだったので、いらないと身振りで示したら、No Moneyという。マホメットさんに一部始終を話すと、ラマダーンの時期は貧しい人にものを与える習慣があるから、君にくれたのではないかと言われた。破れたジーンズをはいていたので、貧しく見えたのかも。

 マホメットさんの家で、今日行った場所を聞こうと思って地図を探すが、見あたらない。再度、地図を無くしてしまったようだ。本当に良くものをなくす。。インターネットを使わせてもらって、アパートに帰ると(19時頃)疲れ果ててそのまま眠ってしまった。

この日歩いた距離:10キロ


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